ボタン

ボタンの素材

ボタンを素材ベースに分類しています。それぞれの特徴や物性を簡単にご紹介しています。

ポリエステルボタン

スチロール樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。耐薬品性、耐熱性に優れ、扱いやすいボタンです。分散染料による後染めも可能です。

原料樹脂 ポリエステル樹脂
耐熱温度 150℃
クリーニング温度 ドライクリーニングで変化なし
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 油煙が多く良く燃える。匂いが強い。
特徴 比較的硬く丈夫な方だが、衝撃に割れやすいものもある。注型ボタンに複雑なデザインが多い。
染色性 分散染料で染色可能。
取り扱い上の注意事項 衝撃に割れやすいものもあるので、重いものを乗せたり、固いものにぶつけたりしないようにする。

ナイロンボタン

ポリアミド樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。耐薬品性、耐溶剤性ともに高く、丈夫なボタンです。主に酸性染料による後染め用のローコストボタンとして使用されます。

原料樹脂 ポリアミド樹脂
耐熱温度 130℃
クリーニング温度 ドライクリーニングで変化なし
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 白色、不透明で象牙のような光沢があり、溶けながら良く燃える。
特徴 強力性があり、割れにくく対磨耗性が良い。比較的軽い。
染色性 分散染料、酸性染料いずれも可能。
取り扱い上の注意事項 熱にあまり強くないので、アイロンは直接当てないようにする。後染めボタンなのでアイロンを直接当てると中の原色が出て汚くなる。

ラクトボタン

材料に牛乳から作ったカゼイン樹脂を原料にしたボタンです。酸性染料で染色可能ですが吸湿性が大きく、湿潤堅牢度は低いため移染しやすい特性があります。ソフトな質感が特徴です。

原料樹脂 カゼイン樹脂
耐熱温度 130℃
クリーニング温度 ドライクリーニングで変化なし
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 燃やすと毛髪の燃えた匂いがし、チリチリ焦げて火を離すと消える。
特徴 動物性蛋白質でできている。毛の風合いと良く合う。
染色性 動物性のため酸性染料が最適。
取り扱い上の注意事項 ボタン素材としてはあらゆる条件に合致した優れた素材だが、後染めが多く、濃色の場合、堅牢度が良くないため配色使いには注意が必要。

尿素ボタン

ユリア系樹脂を原料にしたプラスチックボタンでユリアボタンともいいます。原料段階で着色するので後染めはできません。耐熱性や耐光堅牢度に優れワークスーツなど実用的な分野で使用されます。

原料樹脂 尿素樹脂
耐熱温度 150℃
クリーニング温度 ドライクリーニングで変化なし
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 不透明で燃えにくい。
特徴 硬い。メンズ、ワークウェア、カジュアルウェア、ボトムのボタンなどに多く使われている。
染色性 染色不可能。
取り扱い上の注意事項 先染めで熱にも強い樹脂なので、特に注意はない。量産可能で実用的なボタンだが、あまり高級品はない。

ABSボタン

ABS樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れ、主にメッキ加工に使用します。金属ボタンのような雰囲気を表現できます。扱いやすく用途も多様です。

原料樹脂 ABSまたはAS樹脂
耐熱温度 100℃
クリーニング温度 ABSは変化なし。ASは溶解する。
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 スチロール樹脂に似ているが艶が劣り、打ち音もにぶる。燃やすと油煙がでる。
特徴 硬く割れにくく耐熱性も良い。メッキ性が良好。
染色性 分散染料で染色可能だが、染色用ボタンに用いられることは非常に少ない。
取り扱い上の注意事項 アクリル・ニトリル・スチロール・ブタジエンなどの共重合樹脂で、スチロール分が多い場合はドライクリーニング液に溶解する可能性があるのでドライクリーニング時は外す。

アクリルボタン

メタクリル酸樹脂を原料にしたプラスチックボタンです。衝撃に強く、透明感と光沢感があります。一方で耐熱性は劣ります。分散染料による後染めも可能です。

原料樹脂 メタクリル樹脂
耐熱温度 70℃
クリーニング温度 ドライクリーニングで変化なし
樟脳・ナフタリン 変化なし
見分け方 透明で美しい光沢があり、光を良く通す。燃やすとチリチリ甘い匂いがして燃える。
特徴 割れにくく透明性が良い。真珠光沢の綺麗なパールボタンが多い。
染色性 分散染料で染色可能。
取り扱い上の注意事項 熱に弱い樹脂なので、直接アイロンは絶対避ける。染色した場合、多少光沢が落ちるので、再度磨いて使用するのが理想的。

貝ボタン

天然貝の美しい形状、輝きを持つボタンです。ひとつひとつが微妙に異なり、非常に味わい深いボタンです。白蝶貝、黒蝶貝、高瀬貝、広瀬貝、阿古屋貝、玉貝など種類も様々で産地によっても違いがあります。


天然素材ボタン

木、竹、ナット、骨、角、革などを素材としたボタンです。貝ボタン同様にひとつひとつが微妙に異なります。自然で美しい艶や光沢を出せる素材もあります。


金属ボタン

銅、亜鉛、鉄、ニッケル、真鍮、アルミなどを原料に注型やプレスによって作られるボタンです。メッキ加工もでき幅広く利用されています。

関連記事

TOP